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 水曜日の朝、PEI州、シャーロットタウンのとあるアパートで猫とトカゲが火事を起こすと
いう騒ぎがあった。
 それはトカゲが水槽のヒートランプの下にいたところを猫が襲い掛かったことに始まる。
猫が水槽をひっくり返し、ヒートランプは山積みにされた洗濯物の上に投げ出された。洗
濯物に火がつき、そこからマットレスに広がり、部屋に煙が充満した。
 通報したジョディ・ホワードさんは隣の部屋で寝ており煙感知器の作動で目を覚ましたと
いう。火の出所が全く分からず、とりあえず、911に電話して猫を連れて非難したとか。消
防車がやってきて、燃えているマットレスを外へ引き出して火を消して一件落着。幸いア
パートの住人に怪我はなかった。
 そして猫にもめげず、火事にもめげず、トカゲも無事だったという。

(2005/11/17 Maple Town)



この火災は阪神・淡路大震災の時に注目された「観賞魚用ヒーター」から出火した火災です。
観賞魚用ヒーターは水中の温度を調整するためにサーモスタットという温度を感知する装置が
取り付けられており、通常約27度前後に設定されているようです。観賞魚用ヒーターのヒータ
ー部分が正常な状態で水中にあれば水温を感知して、必要以上に過熱することはありません
し、水中なのでヒーターに可燃物が接触しても燃えることはありません。
しかし、Maple Townの記事にように猫が水槽をひっくり返して、水槽から観賞魚用ヒーターが
飛び出して洗濯物を上に投げ出されると、サーモスタットが空気中の温度を感知するので、空
気の温度が設定温度以下だと、ヒーター部分が必要以上に過熱してしまい、ヒーター部分に可
燃物が接触すると燃えてしまい、火災になってしまいます。

阪神・淡路大震災では、地震の揺れで水槽が倒れ、観賞魚用ヒーターが外に飛び出してしま
いました。地震直後は停電のため、観賞魚用ヒーターは作動せず、火災は起きませんでした。
しかし、電気が復旧して通電したあとに外に投げ出されていた観賞魚用ヒーターが作動し、落
下した場所にあった可燃物に接触して火災が起きました。余談ですが、このように電気が復旧
したあとに起きた火災を『通電火災』と言います。

 このような火災を防ぐには、(1)水槽が倒れないようにしっかり固定しておくこと(2)地震が起
きて避難することになった場合には、必ずブレーカーを落としてから避難することです。