この火災は阪神・淡路大震災の時に注目された「観賞魚用ヒーター」から出火した火災です。
観賞魚用ヒーターは水中の温度を調整するためにサーモスタットという温度を感知する装置が 取り付けられており、通常約27度前後に設定されているようです。観賞魚用ヒーターのヒータ ー部分が正常な状態で水中にあれば水温を感知して、必要以上に過熱することはありません し、水中なのでヒーターに可燃物が接触しても燃えることはありません。
しかし、Maple Townの記事にように猫が水槽をひっくり返して、水槽から観賞魚用ヒーターが
飛び出して洗濯物を上に投げ出されると、サーモスタットが空気中の温度を感知するので、空 気の温度が設定温度以下だと、ヒーター部分が必要以上に過熱してしまい、ヒーター部分に可 燃物が接触すると燃えてしまい、火災になってしまいます。
阪神・淡路大震災では、地震の揺れで水槽が倒れ、観賞魚用ヒーターが外に飛び出してしま
いました。地震直後は停電のため、観賞魚用ヒーターは作動せず、火災は起きませんでした。 しかし、電気が復旧して通電したあとに外に投げ出されていた観賞魚用ヒーターが作動し、落 下した場所にあった可燃物に接触して火災が起きました。余談ですが、このように電気が復旧 したあとに起きた火災を『通電火災』と言います。
このような火災を防ぐには、(1)水槽が倒れないようにしっかり固定しておくこと(2)地震が起
きて避難することになった場合には、必ずブレーカーを落としてから避難することです。 |