暮らしの安心情報 “防火編”：天ぷら油火災を防ごう

（ちょっとした油断で起きる天ぷら油火災、ちょっとした注意で防ぐことができます）

　住宅火災でよく起きるのが天ぷら油火災です。天ぷら油火災は、鍋の中に火が入って火災
になると思っている人も多いのではないでしょうか。実は天ぷら油はある一定の温度になると
自然発火するのです。油などの種類にもよりますが、だいたい油の温度が３６０度前後になる
と自然に発火します。

　現在、一般家庭では、火力の強いハイカロリーバーナー付のガステーブルが広く普及してい
ることから天ぷら油の過熱を含め、調理をする際にはガステーブルの性能を十分に理解し、常
に適正な火力に調節するなどの安全な使用に心がけましょう。

白煙が上昇しているが、まだ発火はしていない（油の温度：３４２度）

発火点に達した天ぷら油が自然発火した状態

天ぷら油火災を防ぐためには、以下のことを守りましょう。

調理中は絶対にその場を離れない
離れるときは必ず火を消してから離れること

過熱防止装置付ガステーブル

　また、過熱防止装置付のガステーブル（天ぷら油などを加熱し、ある程度の温度になったら
自動的に消火する装置）も販売されています。

天ぷら油火災が起きたとき、水をかけて消火をしようと思っている方はいませんか？
天ぷら油火災に対して一番危険な消火は“水”で消火をすることです。

実際に天ぷら油火災が起きたときに水をかけてしまったらどうなるでしょうか？

水を入れた直後

　油と水はもともととても仲が悪いのです。水で消火をしてしまうと、上の写真のように爆発的に
炎が拡大してしまいます。炎が拡大すると一気に周囲に延焼してしまい、被害が大きくなってし
まいます。水での消火は絶対にしないで下さい。

　もし天ぷら油から出火しても、落ち着いて消火をすれば延焼拡大する危険は少ないです。あ
わてずに、落ち着いて、ガスコンロの火を消してから、消火器などで消火をしましょう。

　もっとも適切な消火方法は、強化液消火器で消火をすることです。各ご家庭の台所には必ず
１本、消火器を設置するようにしましょう。