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 特に夏や秋は、屋外でのレジャーが楽しい季節です。キャンプやバーベキューをする人も多
いのではないでしょうか。

 最近、バーベキュー等に着火剤を使う人が増えてきました。着火剤とは、炭や薪などに容易
に着火させることができます。この着火剤は、アルコールを主成分にしているものが多く、通常
チューブ入りで販売されており、搾り出して使います。
 しかしながら、その便利さの影で火傷を負う事故が発生しています。特に、着火剤の注ぎ足し
による引火爆発事故が多く発生しています。
 実際に、バーベキューを行っている最中、ゼリー状の着火剤でもっと火力を強くしようとして注
ぎ足しをしようとしたとき、どうなるか次の写真をご覧下さい。



着火剤に火を付けました。火が付いているのがわかりますか?



 きっと火が付いていることがわかりませんね。実際には火は付いているのですが、炎は青く、
屋外など明るい場所ではよく見えないため、実際は火が付いているにもかかわらず、火が付い
ていないと思ってしまうために事故が発生しているのです。

それでは、着火剤の注ぎ足しをしてみましょう。どうなるでしょうか?





爆発して着火剤が飛び散り
近くにいた人の衣服に着火剤が付着して着衣に着火







Q.どうしてこうなるのでしょうか?
 ゼリー状着火剤の主成分は、ほとんどのものがアルコールです。アルコールはガソリンと同
じように、容易に燃焼します。
 着火剤を注ぎ足そうとしたとき、バーベキューテーブルの火が注ぎ足している着火剤に引火
し、急激に着火剤のチューブにまで火が達することがあります。このとき、チューブから慌てて
手を離そうとすると、チューブの中に火を引き込んでしまいます。するとチューブの中のアルコ
ール成分と空気の混合気体が爆発して、チューブの中の着火剤をまき散らし、これにも引火し
て危険な状態になると考えられます。

 

・取り扱い方法や注意事項などの表示をよく読んでから使用する。 
・着火剤を搾り出したら速やかに点火する。時間がたつと気化したガスが空気中に広がっ
て混合ガスをつくり、爆発を起こす危険性があります。 
・点火後、着火剤が燃え尽きないうちは、炭や着火剤が飛び散り、やけどする恐れがあり
ます。火が安定するまでは、火元にあまり近づきすぎないように注意しましょう。 
・着火剤を火の上からかけると、熱で気化した着火剤に引火したり、着火剤容器内部で爆
発したりする危険があります。継ぎ足しは絶対にしないで下さい。 
・着火剤の事故では継ぎ足した本人よりも、近くにいた人が被害にあうケースが多く見ら
れるため、火を起こす前に周囲の安全確認を行いましょう。 
・着火剤は一度で使いきりましょう。使いかけの着火剤は、容器内に空気が入ることによ
り爆発性の混合ガスがたまって大変危険です。 
・万一のために、着火剤を使うときは、近くに水バケツを用意しておきましょう。