2006年10月8日、新潟県中越地震から2年が経った新潟県旧山古志村(現長岡市)の復興現場視察会に参加しました。視察会は、一般車が規制されている地域にも入ることができ、マスコミ報道でしか見たことがない村の現状を知ることができた貴重な機会でした。
復旧工事が各所で行われ、国道と県道はほぼ復旧したものの、地震当時のままの損壊した家屋もあるなど被害の大きさを物語っていました。山古志支所の方の話でとても印象に残ったことは「山でしか暮らせない人がいる。山に帰りたいというのは当然の要求だ」ということです。日本の国土の7割が同村のような中山間地域(平野の周辺部から山間部に至る、まとまった耕地が少ない地域)で、地震により大きな被害を受けたことで、このような地域は危険だから違う場所に移住してということは言えない。全国に住む中山間地の人々も危険だから住んではいけないということになる。このことは、都会に住む人も一緒に考えて欲しいというお話だった。 |
◇現在の復旧状況
地震から2年経った現在の復旧状況は、今秋までに国・県道は全面復旧する見通しで、私道・農地については6−7割が復旧。9月3日には、山古志地域の基幹道路である国道291号線が全線開通した。 |
山古志地域は、冬に4メートル近い雪が降る豪雪地帯で、12月から翌年5月始めごろまでは雪が積もっていて、復旧工事はできない状態だという。つまり、一年のうち半年間は復旧工事ができないということ。マスコミでは復旧作業が遅れているという指摘がされているが、山古志支所の方は「奇跡的に早い復旧工事が行われた」と話していました。
被災から2年経過していても、実際に工事が行われた期間は一年ほどで、あの被害の大きさを考えると、奇跡的に早い復旧工事が行われたということです。 ◇来年の秋には全員の帰村を目指して 当初、今年中に全員の帰村を目標に復旧作業を進めてきたが、14ある集落のうち5つの集落では現在もまだ避難指示が出されたままで避難生活を余儀なくされている。今後の目標は、来年までにはすべての村民が帰村し、2008年の新年は山古志で迎えようと復旧作業を進めていく計画です。 ◇住宅再建が進まず、今なお仮設住宅で暮らす |
視察会を主催する安全・安心まちづくりWSの会場となった長岡大学の隣りには、仮設住宅が建てられていました。仮設住宅の入居期限は2年間で、それまでに新しい住まいを確保して退去しなければなりません。しかし、住宅再建が進まず、入居期限が一年延長されました。
◇旧山古志村民の話 山古志は玄関の鍵を閉めない、家の人がいなくてもお茶を飲んだりできる世界が山古志村である。 |
○ 中山隧道
○ 山古志復興わらべ地蔵